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2024.07.17
単身世帯にて起こりうる社会問題を解決
Wi-Fi電波を用いた見守りサービスに関する実証実験を実施
~不動産管理会社が導入しやすい見守りサービスの提供を目指して~


Wi-Fiセンシング機器(左:子機、右:親機)
※仕様等は予告なく変更となる場合がございます。

放送・通信に携わる事業者のソリューションプロバイダ シンクレイヤ株式会社(東証スタンダード:1724、代表取締役社長:山口 正裕、本社:名古屋市)(以下、当社)は、単身世帯にて起こりうる“孤独死問題”を解決するため、株式会社ケーブルテレビ富山(本社:富山県富山市、代表取締役社長:上野 等)及び株式会社ディライトアメニティ(本社:富山県富山市、代表取締役:安土 珠里)と協働し、不動産管理会社向け見守りサービスの提供を目指した実証実験を実施しております。本実験では、Wi-Fi電波を用いて入居者の動きを検知する“Wi-Fiセンシング技術”を利用し、検知結果と実際の在室状況の比較検証を行っております。

Wi-Fiセンシングとは

主に無線通信用電波として知られるWi-Fi電波を用いて人の動きを検知する技術のことです。人の動きがWi-Fi電波の波形に影響を与えることから、波形状況をAIが自動分析することで在室状況を確認することが可能です。カメラやウェアラブルデバイス無しで宅内の人の動きを検知することが可能なため、プライバシーやコスト、煩わしさの観点からメリットが大きいソリューションとして期待されております。

本実験の目的

国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の世帯数の将来推計では、世帯総数が2030年をピークに減少に転じて、世帯の単独化や近親者のいない単独世帯化が一層進むと推測されております。2050年には平均世帯人数は1.92人、単独世帯の割合は44.3%になるといわれており、孤独死問題がより一層深刻化するため、早期対応を行わなければなりません。
しかし、従来の不動産管理会社向け見守りサービスは、導入の際に手間やコストがかかるものが多いことが課題として挙げられます。そこで当社は、その課題を解決するべく、Wi-Fi電波を利用し、プライバシーを守りやすく、コストを抑えた見守りサービスを提供できないかと考え、本実験を行いました。

本実験の概要

実施期間

2024年3月~6月にかけての約6週間

対象

富山県内の一般単身世帯の部屋

実施方法

導入想定される類似環境にてWi-Fiセンシング用機器を宅内に設置。
センシング機器からの検知結果と実際の在室有無状況を比較検証し、その有効性と単身世帯に向けたサービス性を評価。
6パターンにて機器を設置し、設置個所による検知精度の差異を実際の在室有無と比較。

結果

在室及び不在状況を下図例の通り正確に検知し、期待通りの効果が得られた。
一時的な帰宅時にも在室判定されており、検知結果は正確であると示唆される。
また懸念される隣室状況や電子レンジ動作については誤作動を伴うほどの影響はなかった。

また、検証にご協力いただいた方からも下記コメントを頂いています。
「以前検討していたサービスはボタンが多く、操作がわかりにくいものでした。一方Wi-Fiセンシングは、こちらから別途操作をする必要もないため非常に使いやすく、機器の存在も気になりませんでした。一人暮らしの高齢者の方々にはいいサービスだと思います。」

本実験により、Wi-Fiセンシングの有効性を確認できたため、本格的な導入に向けて進行しております。
当社では、本実験で得られる技術と知識を基に、不動産管理会社向け見守りサービス提供の実現を目指します。また、今後もこのような取り組みを通じ、安全・安心で持続的な街づくりに貢献していきます。