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2024.03.14
ローカル5Gを活用した湾内におけるブリ養殖給餌業務完全無人化に向けた自動操船の実証

シンクレイヤ株式会社(東証スタンダード:1724、代表取締役社長:山口正裕、本社:名古屋市、以下「シンクレイヤ」という)は、株式会社ZTV(本社:三重県津市、代表取締役:田村欣也、以下「ZTV」という)を中心とした16の団体・事業者からなるコンソーシアムにて実施される「ローカル5Gを活用した湾内におけるブリ養殖給餌業務完全無人化に向けた自動操船(以下「本実証」という)」を三重県尾鷲市において実施しています。本実証は、総務省の「令和5年度地域デジタル基盤活用推進事業」の2次公募で採択されたものとなります。

日本は豊かな海に囲まれた島国であり、その恵みでもある水産物を消費する大規模な市場が存在し、多くの人が水産業に従事しています。しかしながら、漁業従事者人口は長期に渡り減少が続いています。水産業が衰退すると、その地域の経済に与える影響も大きいことから、対策を進める必要があります。
人口減少による労働力を補うためには、最新の通信技術を活用した業務効率化が最適であると考え、令和4年度の総務省の「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」では、ブリ養殖において中心的な業務となる給餌船による給餌作業の省力化に取り組みました。併せて給餌量や海洋状況のデータをデジタルで一元化することで、入力作業の削減や可視化による業務の改善することも確認できました。

本実証では給餌業務全体の無人化達成に向けて、令和4年度の実証フィールドである三重県尾鷲市の尾鷲湾において遠隔監視による複数隻の無人運航船を活用することを想定した運航に取り組みます。

その実証内容としては、令和4年度の総務省の「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」において構築したローカル5Gの高速通信等の特徴(通信技術)を活用して、収集する船舶周囲および湾内周辺陸上からの映像やセンサーデータ、位置情報とスタートアップ企業が作成する水中の3Dモデルマップを用いることで無人操船に必要な状況把握と危険予知などを実施します。また、養殖漁場における給餌業務の完全無人化の達成に必要となる、港から生け簀までの給餌船の自動操船(シャドー運航)の実現、および自動給餌システムの性能向上を図ります。将来的には給餌業務無人化による業務効率化、生産性向上等の課題解決の達成を目指します。

シンクレイヤは、これまでのZTVのインフラ設備をはじめとした全国のケーブルテレビの通信高度化に関する多くの構築実績を活かし、システムインテグレーション全体の統括を担い、本実証実験の有効性の検証を担当します。

シンクレイヤでは、本実証実験で得られる技術と知識を基に、ローカル5Gを用いた具体的なサービスの実現を目指します。また、今後もこのような取り組みを通じ、安全・安心で持続的な街づくりに貢献していきます。

■本実証実験に参加するコンソーシアムメンバー一覧
株式会社ZTV、尾鷲物産株式会社、シンクレイヤ株式会社、国立大学法人東京海洋大学、三重県、独立行政法人国立高等専門学校機構鳥羽商船高等専門学校、株式会社アイエスイー、ヤンマーホールディングス株式会社、ヤンマーマリンインターナショナルアジア株式会社、パナソニックコネクト株式会社、一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟、ニチモウ株式会社、株式会社百五銀行、株式会社百五総合研究所、水域環境情報基盤株式会社、住友商事株式会社
以上、16 団体・事業者